新たな減少:2021年の中国合成ゴムの輸入が18%減少

(Sublime China Information 2022年2月11日ニュースより)

中国の合成ゴムの輸入量は低水準になった。 2020年と2019年の同時期と比較して、2021年の中国の合成ゴムの輸入にどのような変化があったか?そして、合成ゴムの品種はどのように変わったのか?その理由は何か?

図1 2015-2021中国合成ゴムの輸入量
出典:GACC、SCI

2021年、中国の合成ゴムの輸入量はここ10年で過去最低を記録した。 2021年のその量は約1,116ktで、2020年との前年比で約18%減少した。この減少はここ10年間で最低水準となった。2019年と比較しても8%以上減少し、2017年の1,350ktから約250kt減少した。中国の合成ゴムの輸入が減少し、輸出が増加したため、2021年の中国の合成ゴムの純輸入量は830ktに減少した。要約すると、中国の合成ゴム輸入品への依存度は低下し、中国の国内供給が重要な役割を果たした。

図2 2021中国合成ゴムの輸入元トップ10
出典:GACC、SCI

2021年、中国の合成ゴムの輸入の主な原産地は韓国、日本、ロシア、サウジアラビア、シンガポールなどであり、上位10の原産地からの輸入量が全体の85%以上を占めていた。韓国は、SBR、PBR、NBR、EPDM、SBSの最大の貿易相手国であり、2021年、中国は韓国から260kt以上の合成ゴムを輸入した。2番目に大きな相手国である日本からは、2021年、SBR、EPDM、IIR、NBRを輸入し、総輸入量は150ktを超えた。3番目となるロシアからは主にIIRを輸入し、ロシアの合成ゴム輸入の約45%を占め、SBRとイソプレンゴムが続き、総輸入量は約140ktだった。サウジアラビアは、主にIIRとEPDMであり、中国の合成ゴムの輸入相手として4位にランクされ、92%以上を占めている。シンガポールは合成ゴムの5番目に大きな輸入貿易相手国であり、主にSSBRとIIRを中国に輸出しており、85%以上を占めている。

表1 2021中国合成ゴムの輸入量

近年、中国の合成ゴムの輸入量が減少し、輸出量が増加していることから、その変化をより分かり易く比較するため、輸入から輸出を引いた純輸入量の指標で見ることにする。一定期間内に輸入量が輸出量を上回った場合、その差を純輸入量とする。 SCIが調査した輸入合成ゴム品種は、2021年の純輸入量が比較的多い品種として、SBR、IIR、EPDM、PBR、NBRがあり、CR、SBSの純輸入量は大幅に減少した。中国の合成ゴム企業の発展状況と関連する輸出市場の需要から判断すると、SBSの純輸入量は今後も縮小し続けるだろう。

2020年の新型コロナ蔓延という特別な背景により、2021年の輸入データと2019年の輸入データを比較した。EPDMとIIRの輸入量が大幅に減少し、PBRとSBRがそれに続いた。減少の主な理由は次のとおり。第一に、出荷スケジュールの不確実性により、中国製の商品が最初の選択肢になった。第二に、中国国内の新しい合成ゴムプラントが稼働し、中国製の商品が一部の輸入品に取って代った。第三に、一部の製品に対するアンチダンピング関税の影響により、中国市場への商品の輸入の総コストが高くなった。第四に、原産地のブタジエンとスチレンの価格が高かったため、中国市場への価格も高くなった。したがって、一部の海外品は、ヨーロッパや米国などに輸出される傾向があった。

2022年には、新しいSBR、PBR、NBR、およびSBSの製品のプラントが稼働する。生産者の計画、既存の新しいプラントの稼働、および2022年のさまざまな品種の需要の伸びを勘案すると中国の合成ゴムの輸入量は2022年に1,000〜1,050kt前年比8%減少するだろう。

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