【まえがき】

世界中で新型コロナウイルスの感染が広がり、毎日数十万人以上の患者が発生し、既に560万人以上の死者が出ている。古代にもウイルス感染により多くの人が亡くなった。しかし、人類は滅びることもなく続いている。古代の人はどのようにしてウイルス対策をしていたのであろうか。このような疑問を持った時、以前に見たNHKの「食の起源」という番組にヒントがあった。

【食の起源】


食の起源の中で紹介された考古学的知見によると、アジアの稲作地域では稲作による病害虫により多くの人が亡くなり淘汰された。そして病害虫に強い人が残った。生き残った人はアルコールの飲めない人だった。何故なら体内に入ったアルコールがアセトアルデヒドになり、アセトアルデヒドから酢酸になる分解を抑えて、アセトアルデヒドをより多く体内に発生させ、ウイルスを殺すとことで生き延びたのだ。アルコールに弱い人は中国では52%、日本では44%、韓国では30%もいる。そして、アメリカ、ヨーロッパやアフリカにはアルコールに弱い人は皆無である。こうして「酒に弱い遺伝⼦を持つ⼈の方が、感染症に打ち勝って生き延びた。」というのが考古学の世界では有力な仮説となっている。(NHK「食の起源」参照)

アルコールからアセトアルデヒドを経て酢酸になる反応は以下のようになる。

【アルコール】  【アセトアルデヒド】  【酢酸】
C2H5OH  ➡ CH3CHO   ➡ CH3COOH

この反応の中間生成物のアセトアルデヒドが強い殺菌作用を持っている。

考古学の知見からアルコールはウイルスに対抗する有力な武器になっていると考えられる。そこで筆者はアルコールを毎日摂取する体験を実施した。
(参考資料:NHK食の起源 飲みたくなるのは“進化の宿命”!_ 酒の知られざる真実、なぜ人はこれほど酒を飲むのが好きなのか? 人と酒をめぐる「3つの大事件」 _ NスペPlus)

このレポートは以上のような考古学的知見に基づき科学的な推論を元にしたものであり、正しいことが科学的に立証されたものではない。従ってコロナ対策としては科学的に立証されたワクチンなどの方法を選択すべきです。そしてアルコールがウイルスの対策となることが科学的に立証されることを願っています。

お酒に弱い体質の人の割合

【酒(=神の食事)/アルコールの摂取体験】


以上のような考古学の考えを元にアルコールによるウイルス対策を体験してみた。アルコールに弱い体質である筆者は敢えて実際に体験することで古代人がどのように実施したかウイルス対策を実践してみた。
アルコールとしては日本酒を選んだ。日本語の酒の“さ”は「神の」という意味で、“け”は「食事」である。古代の人は酒に何らかの神の力を感じていたのであろう。
著者は神の食事(=酒)の日本酒を夜寝る前に毎日飲むことを2020年3月から始めた。飲む量は日本酒で約10~15ml、お酒を飲む人からするとなめる程度である。日本酒は舌でうまさを感じられる美味しいアルコールである。しかし、2~3ヵ月くらいすると胃の調子が悪くなった。そこで水で薄めて飲むようになった。水で薄めると日本酒の旨味は感じられなくなった。さらに日本酒の量も3~10mlと少なくなった。

【ウイルスとアルコールの分子数の計算】


約1年してアルコールの適正量はいくらなのかとの疑問を持った。そこでウイルスの量とアルコールの分子の数を計算した。純粋のアルコーは46グラムで1モルとなり分子の数は6×10²³個となる。(アボガドロ数として知られている)
ウイルスの数は直径5μ、分子量4万の塊として計算すると感染して発症するウイルスの数は9.8×10⁸個となった。これはマスクで防止できる飛沫が5ミクロン以上であることからウイルスの入った飛沫の大きさを5ミクロンとして、飛沫全てがウイルスの塊として計算した。実際飛沫はほとんど水でウイルスの濃度は1%未満と思われ、計算で求めたウイルスの量は最大値と考えて良いだろう。(計算の詳細は第2回に記載する。ヤフーニュースで発症のウイルス数は6~7億との記載があった。再検索したが見つけられなかった。)

飛沫による感染と発症するウイルス量との関係を図のように想定した。

ウイルスの量と発症の関係(推定)

日本酒一滴(約0.3g)アルコールの数は6×10²⁰となり、アルコールからアセトアルデヒドに変換される割合は分からないが桁違いのアルコールが大過剰である。また、アルコールとウイルスの反応の割合も分からないので断定はできないが、ウイルス対策としての日本酒1滴に対してウイルスの数は100万分の1のさらに100万分の1となり、アルコールは超超超微量で良いことが分かった。

ウイルスの数9.8×10⁸個<<<日本酒一滴(約0.3g)アルコールの数は6×10²⁰

また、アルコールによる殺菌の持続時間を考えてみた。アルコールを飲むと約30分後には脈拍が高くなるなどの症状が見られるが更に1~2時間すると元に戻り、アセトアルテヒドの有効な時間は短い。一度接種すると数か月も効果があるワクチンとは効果の保持時間が異なる。

以上の考察の結果アルコールで殺菌するには超微量で繰り返し摂取することが有効であることが分かった。そのために、日本酒を飲むことを止めて微量のアルコールを含む食事をとることにした。それはアルコールの分解の様子からアルコール消毒が作用するのはせいぜい1~2時間であり、効果は短時間で持続性は期待できない。感染(コロナ菌が入ったとして)からできるだけ短時間の内にアルコールで消毒した方が良い。そのために就寝前の飲酒1回から朝、昼と晩の食事の中で2~3回摂取することが効果的であろう。

【神の食事とは】


アルコールを(超)微量含む食事の材料としては日本酒の他、味醂、酒粕、干しブドウ、干し柿、熟した果物(例えば少し着色したバナナ)、酢などがある。酢は製造の途中でアルコールになるので極微量アルコールが不純物として含まれるであろう。

お勧めの料理としては


写真:豆腐と味噌みりん

・味噌味醂
味噌/味醂/砂糖を好みで混ぜる。加熱もしないで混ぜるだけ。豆腐や納豆につけて食べる。納豆に付いているたれよりもずっと美味しい。焼肉につけて食べても美味しい。


写真:酒粕に等量の水を加えハンドブレンダーで分散させたペースト

・粕汁
酒粕をハンドブレンダーでペースト状にしてボトルに詰める。豚汁やみそ汁に少し加えるだけで芳醇な粕汁になり、より美味しく食べられる。味が薄くなったときは麺つゆを少し加えると良い。加熱もしない。混ぜるだけ。酒粕は「粕(かす)」ではなく、優れた健康発酵食品なのだ。酒粕と言わずに「神の恵み」とでも言った方が良いでしょう。

・酒粕乳酸発酵飲料
酒粕/ピルクル(ヤクルト)/牛乳を適量加えて飲む。麹菌と乳酸菌の効果も期待される。適度な甘さで甘酒のように甘過ぎることなく美味しい。

・甘酒
酒粕と砂糖または蜂蜜で少し甘くして水で薄める。市販の甘酒は甘すぎる。江戸時代甘酒は夏場の滋養強壮ドリンクとして飲まれていた。自然発酵で製造した物であり砂糖などは入っていなかった。牛乳や蜂蜜を加えても良い。

・煮魚、煮物
煮魚の調味料に味醂を加える。味が良くなる。煮物にも味醂を加えると味が良くなります。ほんの少しで良いです。

・ハリハリ漬
干し大根/昆布/スルメを醤油/砂糖/酢/味醂で調理する。電子レンジだけで簡単に作れる。

・ベッタラ漬け、奈良漬け
大根や瓜を酒粕に漬けた漬物。

・ヨーグルトと干しブドウ、干し柿または熟したバナナなどの果物
干しブドウや熟したバナナにどれだけアルコールが含まれているのか分析でも測定できないだろう。しかし、免疫抵抗力が付くなどと言われることがある。免疫抵抗力の測定方法は分からないが微量のアルコールを含む食べ物のことではないだろうか。

・酢の飲料、酢の料理
きゅうりの酢の物。寿司など。

・味噌や醤油
発酵の原料に米や麦が使用されれば微量のアルコールが含まれるであろう。米や麦の入った味噌が良いでしょう。

・その他
食べ物ではないが手のアルコール洗浄。手のアルコール消毒は手のひらだけでなく、手の甲も消毒する。手の甲の皮膚は薄いので極微量のアルコールが体内に浸透すると思われるからである。

【神の食事は和食】


このように神の食事は特別なものでは無く、通常和食として食べているものであった。洋食の文化は牛や豚の肉と乳製品が元になっているが稲作文化の和食は米が主体であり発酵すればアルコールや酢になる。たまたま発酵したものにアルコールが含まれているかどうかによって西洋との違いとなった。
神の食事の特長は美味しいことである。そのため楽しく食べることがでる。保存性が良く冷蔵庫の無い時代でも和食は日持ちもして美味しく食べられたのだろう。
日本酒も古代の人は飲むのではなく食べていたのではないだろうか。おかゆや食事の汁物に古代の酒を加え、焼いた魚に付けて調味料のように使用していたのではないだろうか。そして、その結果、疫病に対する効果を認めたために酒は「神の食事」を意味する言葉「さけ」が付けられたのだと思われる。食事として摂ることで頻度が高くなり防疫効果が高くなったと考えられる。

次に、世界のコロナの状況を調べてみた。(2021年11月26日時点でのデータ)考古学が示したようなアジア稲作民族の特異性が見られるだろうか。

【世界のコロナ状況】


2021年11月25日現在のコロナによる患者と死者の数を表にした。やはりアジア稲作地域の国家の患者数と死者はその他の国と比較して圧倒的に少ない。考古学で説明されているアジア稲作地域の病害虫による患者や死者が少ないことと良く一致する。
稲作地域の人はワクチン接種による抗体の取得率も高いと思われる。現在日本では第五波の後大きく患者の発生が少なくなっているのはそのためだろう。

アジア稲作国家の中では日本が最も悪い。中国が最も良い。また、死者/患者の割合は中国と台湾、日本と韓国の割合が近いのは民族的な共通性によるものではないだろうか。それとも偶然なのか。
アジア稲作国以外の世界ではインドとノルウェーの死者が少ない。アジア稲作地域のアルコールように何か食べ物が影響しているものがあるのかもしれない。

表 世界の主な国の感染状況(2021年11月25日、第5波まで)

表 稲作地域とその他の地域の感染状況

表からアルコールを飲めない人の割合とCOVID-19の患者数や死者数とは関係していると考えるのが妥当であろう。しかし、各国の病気に対する取り組み、社会状況や医療体制など異なり差が出ているようである。

【免疫抗体と発病】


発病はある程度の数のウイルスが体内に入って体内の免疫機構と戦ってウイルスが勝ち、閾値を超えた時に発病すると考えられる。

発病にはある程度の数のウイルスが体内に入る必要が有る。その数を発病の閫値とする。閫値は人と環境によって決まる。閫値を高くするには体の抵抗力を付けることや免疫力を高めるなどと言われるが具体的にはどのような数値を高めるのか曖昧で良く分からない。

ウイルス量と発症の関係(推定)

超微量のアルコールを含む食事を取ると一時的ではあるが閫値は高くなると考えられる。ウイルスより過剰のアルコールやアセトアルデヒドが体内にあればウイルスを消滅させるであろう。そしてその結果、体内に自然に免疫抗体ができる。そして、次にウイルスが体内に入った時には免疫抗体が働き発病を防止することになると思われる。
コロナのPCR検査で陽性になっても全く症状のでなかった人のニュースがある。このような人はPCR検査には検出され陽性になるが閫値が高く発病しなかったのであろう。
神の食事を取ることで発病を防ぎ免疫をつけることができる。日本では第五波の後急激に発病者が減ったのはワクチンの接種率が高くなったのと自然抗体を持った人が増えたためではないだろうか。
感染力の高いオミクロン株では閾値が低くなり、少ないウイルスで発症するようである。閾値が低くなったためウイルスの数としては少なくなり症状が軽くなったものと思われる。

【COVID-19の予防】


神の食事の効果は科学的に立証されたものでは無い。しかし、稲作地域国の患者や死者が少ないことはデータとして疑う余地はない。また、日本の患者数が急激に減少していることもその原因は医学では立証されていない。これらの事実を科学的に立証することが必要である。
筆者は個人としては神の食事の効果を信じて美味しい和食を続けたい。神の食事は新型コロナだけでなくウイルス性の病気全てに対して効果が期待できる。
お酒を飲めない遺伝子を持った私は先祖が生き残るために進化させてくれた優れた遺伝子であることに感謝したい。お酒を飲めない遺伝子を持った人はウイルスに対抗するために進化したのではないだろうか。
アルコールをたくさん飲める人も基本的に同じでアルコールの効果が少し下がるだけであろう。日本でも約60%の人は同じ環境で生き残ったのであるからアルコールの飲めない人より少し多く取れば良いのであろう。発症のウイルスの閾値が10⁸個とするとアルコールの分子の数が大きい範囲ではアルコールが飲める飲めないの差の影響は少なく、アルコールの分子の数が小さい範囲では差があると考えられる。
文化としてどのような食事をするのかが決め手のように思われる。子供たちにはハンバーカーなどの洋食より伝統的な和食を食べさせた方が良いのではないだろうか。
また、アルコールを一日20g以上摂取するとアルコールによる病気を起こす確率が高くなる。さらに、朝からアルコールを飲むこともできないだろうから微少量のアルコールを含んだ食事を一日に一回以上摂ることが最も適切な予防方法と思われる。

【その他、ワクチンの接種】


稲作地域とそれ以外で抗体のできる程度も違うことが予想される。アメリカで開発されたワクチンは日本では非常に良く効き、日本で開発したワクチンはアメリカでは効かないことも考えられる。使用量や頻度はその国に合った方法を確認する必要がある。全て科学的に解析検証する必要がある。
飲酒する人は抗体量が上がりにくいとの報道もある。飲酒の頻度が影響しているのか飲酒しても赤くなりにくいアルコール耐性を持った人なのか区別する必要がある。
(ファイザーワクチン、2回接種で抗体量上昇…「頻繁に飲酒」する人は上がりにくい_読売新聞オンライン2021年6月6日)

【和食からWASHOKUへ】


微少量のアルコールの入った食事がウイルス対策に良いというのが今回の結論であるが、一番重要な科学的な検証が残っている。科学的に検証されればさらに稲作地域だけでなく世界的に広めて世界がウイルスでパンデミックにならない和やかな世界になるよう伝える必要がある。そのためには日本だけの和食でなく、各国・各地域にあった世界中で食べられるWASHOKUが作られることが大切だ。

次回は和食と洋食、飲み会と感染、アルコール分子数とコロナ菌の分子数の計算などを掲載予定。

なお、本稿は執筆者の個人的見解であり、筆者の所属する組織等の見解ではありません。
世界中がCOVID-19から解放される日が一日も早く来ることを願っています。

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